洪水排水

強雨時等の地表氾濫・湛水を防止し、農作物の被害の軽減を図るための排水のことを洪水排水といい、農用地の生産力を安定させ、土地利用の高度化を図るとともに、住民の生活環境を改善することができる。

降雨・融雪による表面流出が主な対象である。

排水計画基準雨量による集水区域からの流出水を、計画条件として想定した外水位の下で速やかに地区外へ排除するよう計画する。

洪水時排水の検討事項

  • 事業計画作成の際に用いる内部流域からの流出量は、計画基準降雨に対して適切な流出解析法を用いて計算する。
  • 受益区域内において湛水現象を考慮しない場合は、洪水ピーク流出量を求め、これを用いて内水位解析または水路断面設計を行う。
  • 受益区域内において湛水現象を考慮しなければならない場合は、洪水ハイドログラフを求めることが必要である。この場合には、洪水ハイドログラフと排水口の排出量及び湛水を考慮した排水解析を行い、内水位の推移を計算する。そしてこの内水位は計画基準内水位を超過するか否かを検討して、排水改良の効果を判断する。
  • 排水解析において、計画基準降雨、計画基準内水位及び計画基準外水位は、いずれも排水施設の規模に対して大きな影響を及ぼす非常に重要な因子である。
  • 洪水時排水においては、特に計画基準内水位の決め方が、排水事業の所要経費と排水改良によって得られる便益(湛水被害軽減額)の値を決める重要なポイントとなる。また、計画基準内水位をどのように決めるかは受益区域内の土地利用の状況によって異なるので、洪水時排水の事業計画の規模も土地利用状況によって変化する。このように、土地利用と排水とは密接な関係を有するので、土地利用計画(水田の畑利用を含む)と事業計画(下位の排水の計画との整合性を含む)は相互に連携を保つことが必要である。