用排兼用水路の場合に生じる用水と排水の相互制約を解消できる。
用排兼用水路による問題点としては、用水のために水路を堰上げると、それより上流の耕区の排水が阻害されるなど、耕区ごとの自由な用排水操作ができないという点が挙げられる。
そのため、現在の圃場整備では、用水路と排水路は完全に分離し、それぞれの機能の専用化を図ることが原則となっている。
ただし、傾斜地においては、平坦地の団地のように、幹線用水路、支線用水路および小用水路の3段階の水路組織をとることが少なく幹線水路から直接小水路になったり、その他地形の変化に応じて不規則な形態となることが多い。
また、傾斜の増加に伴って(概ね1/50以上)小用水路・小排水路を分離せず、各区画の水の管理を独立して自由に行うことが可能になる(急勾配(射流)水路方式では、用水路に十分な勾配(落差)があるため、圃場への取水工と排水工を同一の水路に設置することが可能になる)ため、用排兼用水路方式についても検討する必要がある。

